プロフェッショナルユースを支える再現性
ultimate ears社「UE-10 Pro」が同社のフラッグシップイヤーモニターとして存在しますが、アーティストからは同機より高く評価されることも多いUE-7
Pro。
高低2ウェイ、低域に2発の大型バランスドアーマチュア型レシーバーを配する構成はUE-10 Proと同様ながら、高域レシーバーにSonnion社バランスドアーマチュア型レシーバーを採用しています。同型式名称で過去にはKnowles社製レシーバーを高域に用いる、レシーバーモデルの異なるコンビネーションが利用されることもあったようです。
UE-10 Proと同じように周波数レスポンスはフラットなのですが、ロー側レシーバーの特性か、UE-10 Proに対し明るくメリハリの効いた再生音が得られます。
上述の違いは比較した上での主観的なものであり、どちらが優れているということではありません。個人的にはUE-10 Proの方が音楽鑑賞用途において音源を選ばないようにも感じますが、本来両機に求められる使用目的ではありません。
同様のカスタムタイプレシーバーでも古い歴史を持つUE-7 Proですが、製造された時代により使用されるドライバが異なる模様。当初はロー/ハイ共にKnowles社製が用いられ、ハイ側はEtymotic
Research社「ER-4」シリーズと同じレシーバーが用いられることもありました。
ケースとなるカスタムシェルは硬質プラスチックで、UE-10 Pro同様ユーザーの希望によりカラーモデルの選択やカスタムペインティングの設定が用意されています。
UE-7 ProとUE-10 Proには価格的に50ドルの差はありますが、このあたりは使用するレシーバーの部品価格反映によるものと思われます。しかし価格が最も高いから良い、UE-10
Proより劣るということはなく、個人的な好みや利用される音楽カテゴリーの違いにより評価もそれぞれ与えられます。
試聴する機会がなく、価格的にも両方作って良い方を、という訳にもいきませんが、日本国内のミュージシャンの方からは、UE-7
Proを選ばれている方も多いようです。