カスタムイヤーモニターについて
カスタムイヤーモニターは耳型に合わせシェル(外形)をオーダーメイドで製作することで、装用性を高め安定した遮音性を確保しますが、一般のイヤホンとは異なる使用上の注意点があります。 カスタムイヤーモニターを安全に、快適にお使いいただくためにご確認ください。
装用安定性とケーブル
耳の名称(クリックで拡大)カスタムイヤーモニターには耳型に合わせシェルを製作することで、耳穴からの脱落防止や装用による痛み・疲労感の緩和が得られるメリットがあります。しかしこの装用安定性は、ケーブルに強い力が加わった時、一般のイヤフォンに比べ耳から外れにくいという問題になる可能性があります。
フルカナルサイズと呼ばれるカスタムイヤーモニターでは、耳穴を耳甲介腔、外耳道、耳甲介艇といった広いエリアに渡り封鎖し、外耳道の曲がり(第一カーブ内側)、耳珠、対珠、耳甲介艇部のアンダーカットを用いて脱出方向に対する維持を取っています。
一方オープンタイプのイヤフォンでは本体を耳甲介腔に納め、耳珠、対珠にかける形で利用、カナルタイプのイヤフォンもイヤーチップと外耳道の接触抵抗で耳穴にセットされますので、不意にケーブルに力が加わっても、比較的簡単に耳からイヤフォンが外れてくれます。それに対してカスタムイヤーモニターではこうしたテンションが加わった時に、耳から外れず、直接耳の各部に強い力を受けてしまう場合があります。
装用にあたっては、まずケーブルに強い力がかからないよう注意することが必要となります。ポータブルプレイヤーでの利用では、プレイヤー本体の取り扱い(誤っての落下など)にご注意下さい。
据え置き型のプレイヤー/アンプでの利用、音楽製作環境でもミキサーに接続して利用する場合、「ちょっとコーヒーでも」と席を外すようなケースでは、ケーブルを抜いてから移動するなどケーブルの存在をお忘れなく。「PCで音楽を聞きながら作業」といった環境では、個人的経験からも「背後にある資料を取る」、「トイレに行く」といったタイミングで「グッ!」とやってしまうケースが多いため(最悪ノートPCまで巻き込む大惨事に・・・)くれぐれもお気をつけ下さい。
音楽演奏のモニタ利用の場合には、激しい動作を伴う場合もあるため、ケーブルの取り回しと固定方法をご検討下さい。基本的には耳にケーブルをかけ後頭部首筋で左右ケーブルを結束、まずは顔周辺でのケーブル浮き上がりを抑えます。左右前後に頭を動かしケーブルにテンションがかからない余裕を持たせ、ケーブル分岐部付近からインナーにテーピングし、ワイヤレスの場合にはレシーバー手前で一度ピンなどで衣服に固定、ワイヤードの場合にも延長コネクタ手前で同様に固定しておくと良いでしょう。